ノルウェーの首都オスロで10日、ノーベル平和賞の授賞式が行われた。受賞した日本被団協を代表して田中煕巳さんが演説し、核兵器の廃絶を訴えた。日本被団協・田中煕巳さん「一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え、一挙に命を奪った。人間の死とはとても言えないありさまだった。戦争といえどもこんな殺し方、傷つけ方をしてはいけないと私はそのとき強く感じた」。田中さんは演説でこのように述べ、核兵器の非人道性を強調した。その上で、1994年に制定された被爆者援護法に触れる中で「日本政府は一貫して国家補償を拒んでいる」と述べて、全ての被爆者に国家補償を行うよう2度にわたって繰り返し訴えた。授賞式の後、日本被団協の代表団は恒例の晩餐会に向かった。晩さん会は日本時間の午前3時過ぎから始まり、被団協の代表団の他、ノルウェー王室や政府関係者などが出席した。