マダガスカル島を象徴する巨大樹バオバブは、マダガスカルのほかにアフリカとオーストラリアの一部にもある。1億8000万年前の地球ではアフリカ大陸、オーストラリア大陸、マダガスカルがつながったゴンドワナ大陸という巨大な陸地があった。地殻変動により分裂し、約8000万年前までにマダガスカルと他の大陸は分離した。3つの場所にバオバブが広がった。かつてバオバブの周りには森林が広がっていたが、人口増加に伴い森は減り畑へと姿を変えた。バオバブは乾燥に強く太い幹に水分を蓄えるため焼き畑にも耐えることができた。そして失われた自然の中でバオバブだけが残った。