ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの争奪戦が熱を帯びている。ハリウッドには給水塔がいくつもあり、今では老舗メディアの象徴。ワーナーは1923年創業。「カサブランカ」、「ハリー・ポッター」、「バットマン」などが代表。2025年秋には身売りの意向を示し、メディア環境の変化を理由に挙げている。デビッド・ザスラフCEOの傘下はCNNがあり、CNNなどのテレビ事業を切り離し、動画配信などを売却する方針。ネットフリックスはワーナーを720億ドルで買収することで合意した。買収の狙いは作品のラインナップの強化。これに待ったをかけたのがパラマウント・スカイダンスのデビッド・エリソンCEOで、779億ドルで敵対的買収を仕掛けたが、ワーナー側は拒否した。トランプ大統領を支持するラリー・エリソン氏が404億ドルの個人保証をする修正案を出したが、ワーナはこれも拒否。マーケットをどう判断するかが焦点。パラマウントは、ネットフリックスは動画配信市場でシェア約20%を握っているため買収すれば30%以上圧倒的な存在感になると主張している。ネットフリックスは、視聴者の選択肢が多くユーチューブなどもある、有料の動画配信だけで判断するのは時代に合わないと主張する。アカデミー賞授賞式の放映はユーチューブが独占配信権を獲得し、ワールド・ベースボール・クラシックはネットフリックスが日本で独占配信する。北谷賢司教授は、放送と配信の境目が一層なくなるだろうと指摘したうえで、どちらが買収しても競争相手が少なくなることで映画・ドラマ・スポーツの輸入料金の上昇が見込まれ、最終的に日本の消費者にもしわ寄せがあるだろうと話している。
