EUは20日にブリュッセルで外相会議を開き、ロシアに対して追加制裁を課すことを決定した。新たに制裁対象としたのは影の船団。制裁を回避してロシア産石油を運ぶ船舶のことで、189隻が制裁対象になった。また、ロシアの軍需産業を支援しているとして、トルコ・ベトナムなどの31企業も制裁対象にしたほか、軍事用に利用されているとしてEUからロシアへの化学物質の輸出を制限するなどとしている。前日に行われた米露首相の電話会談でプーチン大統領が即時停戦に応じなかったことを受け、ロシアへの圧力を強めた形。ウクライナのシビハ外相は「もう一度ロシアに圧力をかけ侵略の代償をさらに支払わせる」と述べた。一方、アメリカはロシアへの圧力強化に慎重な姿勢を示している。プーチン大統領への圧力を強めたほうがいいのではと言われたルビオ国務長官は、将来的には追加制裁もありうるものの現時点では和平交渉を維持するため大統領が追加制裁に慎重な姿勢だと説明した。そんな中、プーチン大統領はウクライナ軍から完全に奪還したとするクルスク州の原子力発電所を視察したとロシア大統領が発表した。