身内の民主党内から大統領選挙からの撤退を求める圧力が高まっている米国・バイデン大統領。西側のリーダーが一堂に会した形のNATOのサミットの開会式のスピーチなどは大きな問題もなくこなしたが、それでも圧力が高まり続けている。こうした中、注目を集めたのがバイデン氏の記者会見でのパフォーマンスだった。記者会見では予想されたとおり最初から選挙戦からの撤退を巡る厳しい質問が出た。先月27日のトランプ氏とのテレビ討論会では言葉に詰まったり、話の論理が飛んだりする場面があった。また、特に民主党の指導部を焦らせているのは、世論調査がバイデン氏にとって厳しいものになっていることがある。ワシントン・ポストは7つの激戦州のうち6つで、トランプ氏が僅かにリードしてると分析している。しかも、討論会以降にこうしたリードは僅かではあるが広がっているとみている。このため、民主党内ではトランプ氏に勝てる候補なのかという観点からバイデン氏に厳しい見方が出ている。こうした中でバイデン氏の代わりになりえるのではないかとして注目が集まっているのがハリス副大統領。ハリス氏は、討論会後のテレビのインタビューでバイデン氏を擁護して90分間の討論会ではなく大統領としてのこれまでの実績の方に目を向けるべきなどと明快に答え発信力の強さを見せた。ハリス氏は父親がジャマイカ出身母親はインド出身で黒人でありアジア系のルーツも持っている。カリフォルニア州の司法長官を務めていた。ただ、トランプ氏に勝てる候補と見られているのかといえば受け止め方は様々。