韓国・尹錫悦大統領が宣言した戒厳令の結果、発生した国会職員らと韓国軍兵士の衝突。戒厳令はわずか6時間で解除された。国防委員会で今回の戒厳令に兵士が動員されたことについて国防省ナンバー2はキムドンホ国防次官は「否定的意見を出した」とコメント。一方、陸軍参謀総長は「戒厳の事実を大統領の談話を見て知った」などと主張。軍の司令官が状況を把握しないまま事態が進展していたという。また、戒厳軍に実弾が支給されていたのかとの質問には「知らない、投入したことも知らなかった」と答えている。韓国の尹錫悦大統領が出した戒厳令は大混乱を招いた。尹大統領が暴走した背景の1つとみられるのが妻・金建希夫人に向けられた複数の疑惑で、ことし7月には高級ブランド・ディオールのバッグ(約30万円相当)を知人から受け取った収賄の疑いで検察から事情聴取を受けていたことが判明。特に問題となっているのが自動車企業の株価の操作に関与した疑惑。この疑惑を追及するため国会では特別検察官を任命し捜査する法案が通過。尹大統領が拒否権を行使したことを受け進んでいた再採決が今月10日に迫っていた。そうした動きを阻止しようとした尹大統領が最後の手段に打って出た可能性がある。戒厳令の混乱を受け、韓国・尹大統領には野党6党から国会に弾劾訴追案が提出されているが、可決には野党だけでは届かない状況。そのため焦点は与党から何人が賛成するかだったが、与党は昨夜、反対する方針を決めている。きょう野党の共に民主党は金建希夫人に対する特別検察官任命の再採決を大統領の弾劾訴追案の採決と同じ7日に繰り上げて実施すると発表している。