ロシアのラブロフ外相が北朝鮮を訪問。金正恩総書記は異例の歓迎ぶりで、蜜月ぶりをアピールした。金総書記とラブロフ外相が12日に会談した場所はヨット。会談は豪華なヨットの中の高級感漂う円卓で行われた。ヨットが浮かぶのは北朝鮮東部の元山で、先月24日、金総書記が出席し、竣工式が行われたリゾート施設の会場。ヨット会談をする狙いについて、北朝鮮情勢に詳しい毎日新聞・客員編集委員・鈴木琢磨氏は「今回の船はビーチリゾートのオープニングの時にも金正恩一家が乗ってきた船。実際に周遊、巡回していると、窓の外には景色が見える。リラックスをしながら本音を引き出したり、逆に本音を吐露したりする舞台として洋上会談を利用している」と指摘。鈴木氏によると、このヨット会談の手法は代々受け継がれているという。金日成主席が死去する1か月前の1994年6月に行われたアメリカの元大統領カーター氏との会談も、ヨットの上だった。金総書記の狙い通りなのか、会談は終始笑顔で進み、ラブロフ外相は航空便の整備などを通じて、ロシアから元山への観光客を増やす考えを示した。さらにラブロフ外相が会談後の会見で言及したのは、北朝鮮の核開発についてだった。北朝鮮の核開発支持を改めて強調。また、金総書記には近い将来、直接会談を期待しているとするプーチン大統領のメッセージも伝えたという。