NY証券取引所からの中継で、東海東京証券アメリカの中川幾代が解説。去年11月に選挙で勝利したマムダニが1月1日にニューヨークの新市長に就任。就任早々、保育完全無償化の公約実現に向けて大きくかじを切った。3歳児向け無償保育を全世帯に拡大。2歳児向けも新たに導入。低所得層が多い順次広げ、4年間で完全無償化を目指す計画。2026年度から27年度のニューヨーク州の保育制度支出額は45億ドルになる見通し。NYC会計監査官室によると、ニューヨーク市の幼児1人当たり保育料は年間平均約2万6000ドルと非常に高額。そのため女性が仕事をやめたり市外に引っ越したりするケースが跡を絶たない。NYCEDCによると、22年ニューヨーク市における育児による離職等の経済損失は230億ドル。保育無償化により、世帯収入はニューヨーク市全体で年間19億ドル増加の可能性。ユニクロをグローバル展開するファーストリテイリングなどは、アメリカでも保育を補助する福利厚生を提供することで高い従業員定着率を実現しているとみられている。ボストン・コンサルティングによると、保育支援策のROIは90から425パーセント。ハイリターンの投資としての効果は実証されていると言えそう。当面は州の既存予算で賄えるとみられているが、マムダニ市長は長期的には富裕層への増税を主張。フォークル知事は支持層であるビジネス界に忖度して増税に慎重姿勢。ニューヨーク市で保育政策が成功するかは他の市にとっても重要な試金石。中間選挙に向けて有権者の判断が注目される。
