ルーマニアにあるウィンタースポーツで人気のまち、プレデアル。今年のクマの目撃件数は300件以上あり、散歩中の男性が襲われ重体になる被害も起きている。今年3月に撮影された映像ではゴミを漁っている巨大なクマが近づく車を威嚇している。このまちではこうした光景が春~夏にかけてほぼ毎日確認されているという。こうした観光地ではクマ対策が徹底できていないという。一方、いち早く対策に乗り出し、クマの被害がゼロになったまちがある。山に囲まれたこのまちではクマが効果があるとされる電気柵を住民に提供。まちの至るところに張り巡らされている。設置された大きなゴミ箱も電気柵で囲い、荒らされる被害はなくなったという。そしてエサやり行為にも独自の罰金制度を導入した。さらに実のなる木も全て伐採し、まちからエサとなるものを完全に排除した結果、2021年には238件あったクマの目撃通報が今年はわずか6件に激減した。まち独自で進められるクマ対策。そんななかルーマニアでは政府のクマ対策をめぐって社会が揺れている。ルーマニアではクマは保護種に指定されていて、安易に駆除することは法律で禁止されてきた。しかし政府はこの5年間で19人が死亡するなどの人的被害の急増を受けて先月から危険な場合に限り「速やかに射殺」することを可能にした。かつては生活とともにあったクマ。「むやみに殺し続けても具体策がないと何も解決しない。共存するためにはエサを与えたり近づいて写真を撮ったりしてはいけないと住民や観光客に教育しないといけない。」と指摘する人もいる。クマによる被害が出ているなか、今後、クマとどう付き合うのか。ルーマニアは解決策を模索している。
