ロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始から4年が経とうとしている。ウクライナは本格的な冬を迎えて厳しい寒さとなっている。市民にとって憩いの場もお目見えした。ウクライナ・キーウから中継で伝えた。侵攻開始以降、毎年、聖ソフィア大聖堂の前にはクリスマスツリーが設置されるようになった。戦時下でも市民に癒やしの場を設けようという狙いがある。今月5日には点灯式が行われた。ツリーの近くには温かい飲み物や軽食を販売する店が設けられた。市民からは「戦争が続いていてもクリスマスツリーを見ると心が明るく温かくなる」といった声が聞かれた。約3週間の間に市内で16回の警報が出されている中でもクリスマスを楽しもうとしている様子が伺えた。ウクライナのクリスマスの祝日はもともとロシア正教と同じ1月7日だったが、ロシアへの反発から変更を求める声が相次いだため、おととし法律が改正され、ローマ・カトリック教会などと同じ12月25日に変更された。ウクライナでは引き続き戦闘を続けるための兵器や資金の確保に加え、前線で戦う兵士をいかにケアするかが大きな課題になっている。国連の関係機関によると、ウクライナでは前線を離れた兵士や退役軍人の3割以上がうつ症状などに苦しんでいるほか、精神的ケアの態勢も不十分だという。動物の力を借りたアニマルセラピーが注目され、兵士たちの心の傷を癒やし、帰還後の再就職などにもつながると期待されている。
