熊本・宇土市の御輿来海岸では大潮が近づくと、海岸に沿って10kmの広大な干潟が姿を見せる。また、有明海は海苔の産地で、広げられた海苔網は色とりどり。育つと海苔網は緑で覆われる。干潟にはヤマトオサガニ、ムツゴロウなど多くの生物が出現し、人々は地元の食卓には欠かせないマテ貝を手に入れる。繰り返される潮の満ち引きが美しい風景とともに人の生活の営みも支えている。過去には山の伐採によって海に泥が流れ込んだが、漁師たちの植林によって、改善された。毎年11月、世界に4000羽ほどしか生活していないとされる、クロツラヘラサギが飛来してくる。彼らにとって有明海は貴重な越冬地。