東武東上線・下赤塚駅。住宅街を歩くこと約10分。この地で55年続く「魚金寿司 すゞ木」。家族経営のアットホームな店。魅力は寿司の味と値段。店の看板ネタは生本マグロ。ランチのにぎりはセットで800円。マグロ・ブリ・サーモンなど7貫に巻物付き。卵焼きは毎日店で焼いている。1.5人前のにぎりは1200円。自慢の卵焼きが2貫におすすめネタを合わせて11貫。一番人気の日替わり丼は市場で魚を見て具材を決める。この日はカツオとブリの二色づけ丼で800円。板場に立つのは2代目店主・鈴木康弘さんと3代目の息子・泰地さん。康弘さんが店を受け継いで18年。モットーは手頃な値段で美味しいものを出すこと。自宅の敷地が店舗なので家賃がかからずサービスできるそう。明るい性格の女将・晶子さんが心がけていることは楽しく。自営業なので楽しくしているとお客さんも楽しいかなと思っているそう。2代目の母・トシ子さんは他に頼むと高いため割り箸の袋入れ作業。さいたま市にある埼玉県中央市場。ほぼ毎日ここで仕入れている。店から近くて仲卸ともいい関係だそう。泰地さんは仕入れの勉強中。自分の目で見て知識を深めている。市場から戻ると開店に間に合うよう親子2人で仕込みを始める。この日の鮮魚はヒラメ・カツオ・イワシ・コハダなど10種類ほど。魚を下ろすのは泰地さんの担当。家業を継いだのは去年のこと。19歳から京料理店で修行。寿司店が忙しくなり”父の力になりたい”と思うように。お客を呼び込むため2代目は味の工夫も怠らない。江戸前寿司の定番コハダ。レモン果汁を加えた酢で締め、爽やかな酸味に仕上げている。アナゴは特大サイズを使用することで肉厚のフワフワ食感に。骨も大きいので手作業で抜かなければならない。2代目のこだわりが詰まった夜のおまかせにぎり3500円。中トロ・ウニ・イクラなど10貫にお好みの巻物が付く。大切なのはお客さんの笑顔。そのために家族一丸で汗を流している。泰地さんは「毎日毎日お客さんに喜んでもらえることしか考えていない」と話し、康弘さんは「店を守りつつ少しずつ変えながらやっていきたい」と話した。