今、幻の野菜として注目されている秦野大根。長さ約50~60センチで、太さは約3センチだ。江戸時代には、波多野ダイコンと呼ばれ、辛味があり、風味がよく、漬物などにして、領主に献上していたとも言われている。富士山の宝永大噴火による火山灰の影響で、秦野地域の作物は甚大な被害を受け、大根は消滅したと言われている。地元の大学生が、失われた大根を復活させるプロジェクトを立ち上げた。秦野地域の河川敷などに自生する野大根を使って、食用に適する秦野大根に変えていくことを目指した。こだわったのは形・味を蘇らせること。研究は先輩から後輩に継がれて12年、文献にある形・味を再現できるまでにこぎつけた。さらにこの大根を使い地域の名物を作る動きもある。しかし独特の辛味を活かす料理は簡単には見つからなかった。学生たちは地元の料理店を訪ねて相談し、食感を生かせる野菜炒めを提案された。大学では今後も大根の普及に向けた活動を続けていくとのこと。