若者を中心に世界で人気を集めているコンピューターゲームをスポーツ競技として行うeスポーツ。去年、中国のアジア競技大会で初めて正式種目に採用され、来年はサウジアラビアで、IOCが主催する国際大会が初めて行われる。eスポーツの世界で戦う異色のチームが秋田にある。シューティングゲームに熱中しているのは日本初のシニアプロeスポーツチーム「マタギスナイパーズ」。2021年に結成され現在メンバーは10人。平均年齢は69歳。チームは今、5対5で行うシューティングゲーム「VALORANT」を世界中のチームとオンライン上で対戦。マタギスナイパーズ・Mark25さんは3年前に金融関係の仕事を定年退職した際に妻の勧めで加入。メンバーのほとんどがゲーム初心者。マタギスナイパーズは、地元のIT企業が全国高齢化率全国1位の秋田県で高齢者が前向きに暮らしていく手助けができないかと始めた事業。エスツーEC事業部・土門悠部長は「どんどんチャレンジできるようになれば、高齢者をポジティブに捉えることができるのでは」と語った。マタギスナイパーズを指導するのがメンバーたちよりも30歳以上若い、れもん監督。親子ほど年が離れたメンバーへの厳しい指導。監督を引き受けることに戸惑いはなかったのか。れもん監督は「高齢者チームは海外にもあまりない。面白そうだなって、ふたつ返事だった」と語った。eスポーツチームに所属していた経験を持つれもん監督が厳しい指導をする理由は、チーム一丸で目指す目標にあった。それは国際大会出場。現役時代は社会的に責任ある立場にいたメンバーたちも若い監督からの厳しい指導について、MAGIさんは「取材に来た人は心配するが、自分たちの脳の中だけでは解決できないこともあるので客観的なアドバイスも必要」、CaitSithさんは「言ってもらわないとわからない」と語った。趣味としてではなく本気で大会出場を目指しているマタギスナイパーズ。原動力について、ひろBooさんは「孫が大きくなるころには、一目置かれるようなおじいちゃんになれればいい」、Mark25さんは「勝ちたい!うまくなりたい!それ一本」と語った。