オウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者支援に当たってきたNPO法人が、事件から30年の節目となる今月で解散することになった。今後は被害者で作る団体などにアドバイザーとして参加し、支援するとしている。1995年におきた地下鉄サリン事件では、都内3路線に猛毒のサリンがまかれ14人が死亡、およそ6300人が負傷した。被害者を支援するため、医師や弁護士などが立ち上げたNPO法人「リカバリー・サポート・センター」は、事件直後から無料の健康相談を続け、これまでに延べ2700人余りが受診し、サリンの後遺症に悩む人の心や体のケアに当たってきた。今月末で解散することを決め、会報誌で被害者に伝えた。解散の理由について、健康診断を受診する人が大幅に減ったことや、被害者自身で心身の不調と折り合いをつけられるようになってきたこと、それに支援に当たってきたボランティアも高齢化が進んだことを上げている。