「一帯一路」はアジアとヨーロッパを陸路・海上航路でつないで巨大な経済圏を作るという構想。中国は経済的な成果を強調してきたが、近年評価が割れている。カンボジアの経済特区に中国が進出し、一帯一路の重要拠点の1つになっている。カンボジア・シアヌークビルでは街の至る所に幽霊ビルがあり、その数は360棟以上。さびれが漁村を大きく変えたのが習近平国家主席が提唱した一帯一路だった。中国の投資は総額1兆円を超えた。経済特区はコロナ禍前の一時期、年間7%におよぶ経済成長をけん引し、2万7000人の雇用を生み出した。しかし、新型コロナ感染拡大や中国経済の減速、カンボジア政府のカジノ規制で当時の面影は失われつつある。治安は悪化する一方。カンボジア政府は特命チームを結成し、約2年前からビル一棟ごとに調査し、事業再開に向け交渉を重ねている。カンボジア政府は税制上の優遇措置をとった。このホテルは半年前に開業し、約15億円の投資が無駄にならずに済んだという。ビルの安全性に住民の懸念の声が強まっている。