東大阪市でシカの目撃が相次いでいる。東大阪市によると、近寄らない、そっとしておく、エサをあげないという注意喚起がなされている。市によると、先週水曜日以降、市内でシカの目撃情報が10件以上寄せられている。東大阪市内でのシカの目撃は今回が初めて。生駒山系には野生のシカが生息していない。さらに人に慣れている。角が切られた跡があるシカもいるということで、奈良公園からやってきたシカの可能性が高まってきている。「奈良のシカ」保護団体は「観光客などの『えさやり』によってシカの数が過去最多となっている。縄張り争いに負けて奈良公園から出ていくシカが増えている」としている。奈良の鹿愛護会・事務局長の山崎さんは「奈良公園のシカは、子どもの頃から親ジカが人間から“鹿せんべい”をもらっている姿を見ているので、かなり人間に慣れている。今回、目撃された鹿が人慣れしていたのなら、奈良公園のシカである可能性も考えられる」と話す。今後の対応について、東大阪市・動物指導センター担当者は「鳥獣保護管理法の対象なので、被害がない限り駆除できない。初めてで分からないことが多いが、自力で戻ってほしいので見守っていく」としている。岩手大学農学部准教授・山内貴義さんは「(東大阪市のシカは)基本的に狩猟のシーズンが終わってしまったので、狩猟としてとることが今、できなくなっている。例えば農作物被害を出すとかすると、有害捕獲という枠で捕獲はできる。ただ他にも学術捕獲とか色んな捕獲の方法はあるので、今後、大阪の方で検討されていくのかなとは思っている」とコメント。山崎さんによると、「東大阪市に出没しているシカは、角の長さからおそらく1~2歳のオス」とのこと。強いシカが弱いシカをテリトリーから追い出す習性がある。1~2歳のオスは、母親から離れて暮らし始める時期。若いオスのシカ同士が群れとなって、奈良公園の周辺で暮らしている事例が多くあるので、その範囲を東大阪市まで広げた可能性が高いよう。山崎さんは「今までシカが見られなかった地域で目撃される事例が増えている。奈良公園のシカの過密度が上がっていることもあり、生息区域が広がりつつある」と話す。範囲を広げたシカへの対応について、山崎さんは「愛護会の管轄外に出てしまったシカは天然記念物ではなくなるので、要請があれば対応することもあるが、基本的には出没した市区町村での対応になる」としている。
