井上ひさしさん作の戯曲、「父と暮らさば」(英題「The Face of Jizo」)が、オーストラリアのシドニーで上演された。この戯曲では、原子爆弾の投下から3年後、家族の中で1人だけ生き残った事に苦しむ娘と、原子爆弾で亡くなり幻となって現われた父親の、心の交流が描かれている。出演しているのは、日本人俳優の岩崎真由さん、宇佐美慎吾さん。鑑賞したオーストラリア人の観客は、「残念ながら戦争はまだ起きています」などと話した。岩崎真由さんは、「日本人アーティストとして、伝えていかなければいけない」などと話した。この戯曲を英訳した人物が、作家・映画監督のロジャー・パルバースさん。パルバースさんが、「この作品には、普遍的なメッセージがある」などと話した。関係者らは、上演前には不安もあったというが、上演後は連日満員となっており、公演期間は延長された。