第2党の「DA」は白人が主な支持基盤で、黒人を優遇する制度の廃止を主張している。第3党の「MK」は「ANC」を離脱したズマ前大統領が立ち上げた政党。そして第4党の「EFF」と続く。このうちMKとEFFは白人農家の土地の収用など急進左派的な主張を掲げている。また外交では反欧米を掲げ、ロシアによるウクライナ侵攻ではロシアを支持している。第2党のDAに対してはANCの支持者には拒否反応を示す人も多く、連立の実現には壁が立ちはだかる。一方第3党のMK、第4党のEFFとの連立は海外からの投資などに悪影響を与える可能性がある。連立政権の枠組みはグローバルサウスの一員として国際社会で存在感を高めてきた南アフリカの立ち位置に変化を及ぼす可能性があり、ANCは難しい選択を迫られそうだ。