タイでは水の事故で亡くなった15歳以下の子どもの数は、2005年には1500人以上だったが2024年には558人と3分の1近くになっている。水辺が1年を通して子どもたちの遊び場になることで水の事故が非常に多い。こうした中近年注目されているのが子どもの水難事故防止プロジェクト。プールの中ではひたすら浮く訓練をしている。学んでいるのは泳ぎ方ではなくもしもの時の浮き方。訓練は毎月実施されている。早く泳ぐことより浮くことに重きを置くタイの学校教育に学ぶことは多いと水難学会の斎藤秀俊さんも話している。首都バンコクで開催されたのは水難事故防止プロジェクトの表彰式。タイでは町や村の住民がチームを結成、教育や危険箇所の安全対策など様々な取り組みを行っている。2006年から始まったこの活動は今ではチームはタイ全土で5000に上る。成果に応じて最高位はダイヤモンド・金・銀・堂まで4つのランクに分けられている。開場では上位に選ばれたチームが作った救助用グッズの展示も。タイならどこでも手に入るココナッツの殻を使った浮き具や農業用肥料の丈夫な袋をつかった浮き具などがある。もう一つの特徴が幼い子どもへの安全教育。2~4歳の子どもが通う保育園では近づかない、拾わない、のぞかないという3つのワードを覚えさせている。水辺の危険を知らずにため池などに不用意に近づいて落ちてしまう事が多いため、事故にあわないキーワードとして大切にされている。水辺の危険に対しさらに深く落とし込むために子どもたちに楽しく学んでもらうために、自分たちの写真を使ったパズルを使っている。また身近な水辺のジオラマを使ったものもある。こうした取り組みは毎日実施されている。日本でも、親子で海や川の危険について調べたり親子で一緒にライフジャケットを着たりするなど事前の備えが大事で、大人の行動がなにより大切になる。