韓国で尹錫悦前大統領が非常戒厳を宣言して1年。現政権のもと、今も刑事裁判が続いている。1987年の民主化以降初の事態で、韓国社会には衝撃が広がった。尹前大統領は裁判で「国政が麻痺していた」などと正当性を主張も、当時の軍幹部からは「政敵の排除が動機だった」との旨の証言が出ている。1審判決は来年2月。関わったとして起訴されているのは前政権の20人以上。李大統領は3日、特別声明でこの日を国民主権の日と定めることを表明。前政権の責任を徹底追及する考えを示した。前大統領の妻や側近も収賄などの疑いで起訴されている。前大統領側は調べに対し供述をほとんど拒否している。
韓国で尹錫悦前大統領が非常戒厳を宣言して1年。現政権は前政権の責任を徹底追及する考えで、全公務員について非常戒厳への関与の有無を調べる特別チームの新設を閣議決定。事件を受けて韓国社会に残された課題の1つは大統領権限の弊害解消。韓国では権限が大統領に集中していて、前大統領は閣僚らと十分議論せずに非常戒厳に踏み切った。暴走を許さず国民の信頼を店舗できる制度設計が求められる。韓国では2大政党のもと政治対立が先鋭化していて、双方とも強硬派が新たなリーダーとなり妥協点を見出すのが難しくなっている。