「入野谷在来そば」は一般的なそばの実と比べて小粒だが、1粒あたりのタンパク質・脂質量が1.2倍。だがその粒の小ささが原因で、生産効率を求める時代の波に飲まれて絶滅の危機に瀕した。名人・山根さんは文献を読み漁り、10年前に農業試験場に900粒だけ保管されていることを突き止めた。300粒譲ってもらい、そのうち6粒だけが奇跡的に芽を出した。そこから種を増やし続け6年で出荷まで漕ぎ着けた。今なお育てる場所には最新の注意を払う。収穫した入野谷在来そばのポテンシャルを最大限に引き出すための肝となるのはそば打ち。