先週末に発表された米国の8月の雇用統計について。就業者の伸びは14万2000人で、市場が予想した16万5000人を下回った。その一方で、失業率は0.1ポイント低下して4.2%と5か月ぶりに改善した。失業率の改善はプラスの材料になるが、就業者数は6月と7月の増加数が下方修正されマイナスの材料となっている。これに対し、市場はどう反応したのか。6日のニューヨーク市場、ダウ平均株価は値上がりして始まったが、その後は値を下げて410ドルの下落となった。雇用統計の見方について、第一生命経済研究所・前田和馬主任エコノミストは「失業率が低下したところは一種の安心材料だったと思う。少し気がかりなのが過去の雇用者数の伸びが下方修正されていること。今の(8月の)数値をうのみにしていいのかという疑念を生じさせたところで株価が下がってしまったところはあるのではないか」、これから始まる東京市場への影響について「(米国が)景気後退入りの懸念が残っている中で、少し上値が重い展開があるのではないか。円高になると株価にはネガティブに働きやすいことには警戒が必要かと思われる」と述べた。雇用統計を受けて、円相場は一時1ドル=141円台後半まで円高が進んだ。今は1ドル142円台前半で取り引きされている。日経平均株価は先週、1週間で2000円以上値下がりした。ダウ平均株価(6日)4万345ドル41セント(−410ドル34セント)の表記あり。