中国としては経済力をテコに中南米諸国とアメリカを切り離してこの地域で影響力を拡大させようとしていると指摘されている。その一つに中国の一帯一路でのインフラ投資がある。習主席2013年に提唱した一帯一路。もとはアジアと欧州を中心に陸路と海上航路でつなぐ構想。今は南太平洋諸国、中南米諸国などにも拡大。実際にペルーではチャンカイ港が開港。ブラジルは欧米に配慮して一帯一路には参加していないが、チャンカイ港とブラジルを鉄道で結んで南米大陸を横断させる案を中国側と協議していると伝えられている。こうした中中南米では台湾と断交して中国を国交を結ぶ国も相次いでいる。アメリカのトランプ大統領はアメリカ・ファースト、ルーラ大統領は多国間主義を外交方針に掲げていて政治的に大きな隔たりがある。こうしたアメリカへの対応として中国とブラジルは共闘を確認しあっている。一方、国際関係に詳しい専門家はブラジルに中国が接近しすぎることに懸念を示している。BRICSを取材した望月氏は「日本を含むG7、民主主義や自由、法の秩序といった価値観で結ばれている一方で、BRICSの国々は主に経済の利益で深く結びついている。権威主義と指摘される中国、ウクライナ侵攻を続けるロシアとも手を取り合う国があるということ。そして欧米が主導してきたものではない国際秩序が形成されて存在感を増してきていることを目を向ける必要があると感じた」などコメント。