EUへの加盟を巡って政情が混乱している旧ソビエトのジョージアでは、首相が長年目指してきたEU加盟に向けた取り組みを中断すると発表。ジョージア・コバヒゼ首相は28日、「EUへの加盟交渉の開始を2028年末まで議題にせず、それまでEUからの補助金も一切受け取らない」と述べ、EU加盟に向けた取り組みを中断すると発表した。ジョージアは長年EU加盟を目指してきたが、ロシアに融和的な姿勢を示す与党「ジョージアの夢」が今年6月、外国から資金提供を受けている団体を規制する法律を成立させ“EUの価値観にそぐわない”として加盟手続きを事実上停止させた。先月行われた議会選挙では与党が過半数を占めたが、ヨーロッパ議会は28日“重大な不正があった”として選挙のやり直しを求める決議を採択。首相の発表を受けて、与党と対立しEU加盟を支持するズラビシビリ大統領は“政府が国民に対し戦争を宣言した”と非難した。首都トビリシではEUの旗等を手にした大勢の市民が議会前等に集まり「ロシアの奴隷」等と叫んで抗議活動を繰り広げ、警察と衝突する事態に発展している。