野村証券・後藤祐二朗が電話で解説。ドル/円予想レンジは156.00円~158.00円。後藤さんは「米国CPI(消費者物価指数)、FOMC(連邦公開市場委員会)を控えている。本日アジア時間も小康状態になりそう。FOMCはドットチャートがどの程度上方修正されるかが焦点。当社は2024年の中央値は2回の利下げを示し、ドルに下押し圧力がかかるとみている。仮に1回利下げを示唆する場合はよりタカ派的な据え置きとしてドル円の上昇要因になりそう」などと述べた。注目ポイントは『市場ボラティリティーの低位安定は続くか』。後藤さんは「夏場にかけての注目材料として、為替市場で活発化しているとみられるキャリー取引の持続性を占ううえで、市場ボラティリティーの低位安定は続くかが焦点になる。一部新興国で選挙に関する不透明感が台頭して一時的にペソ円やランド円で円高が加速する局面が見られた。G10通過では円やスイスフラン、新興国通過ではタイバーツなどが売られている。今年の為替市場ではキャリー取引の影響を強く受けてきたことが示唆される。キャリーポジションの収益は、高水準の金利差に加え、市場が相対的に安定、ボラティリティーが低い時に高まる一方、ボラティリティーの上昇時にはポジション調整が起きやすくなる。ボラティリティーの低位安定は続くかが円高リスクを占ううえで重要」などと述べた。