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「ドナルド・トランプ」 のテレビ露出情報

1980年、高い失業率とインフレによる不況に喘いでいたアメリカに新たな大統領が誕生する。規制の撤廃による経済改革を訴え、「強いアメリカ」の復活を掲げたロナルド・レーガンである。「Make America Great Again!」を合言葉に彼が推し進めた新たな経済政策を追い風に、ニューヨークでは1人の青年実業家が巨万の富を築き上げた。ニューヨークの再開発を利用し、不動産王に成り上がったドナルド・トランプだ。野心に溢れた若き実業家は1983年、マンハッタンの目抜き通りに自身の名を関した「トランプタワー」を築く。失敗や敗北の烙印を何よりも嫌ったトランプの態度は時に傲慢に映り、当時から毀誉褒貶の多い人物として知られていた。
1998年、連邦議会に1人の黒人女性が初当選を果たす。彼女の名はバーバラ・リー。貧困対策や銃規制、平和外交に注力するリベラル派の政治思想の持ち主で、コソボ紛争への介入にも反対案を示すなど自身の信念に忠実な政治家だった。同じ頃、リーと同じ黒人でありながらアメリカの英雄として称賛されていたのがコリン・パウエル。ニューヨークの貧困地区でジャマイカ移民の子どもとして生まれながらも黒人として初めて統合参謀本部議長にまで上り詰め、湾岸戦争ではアメリカ軍を指揮してイラク軍を撃破した華々しい経歴の持ち主だった。ベトナム戦争に従軍した自身の経験から穏健派の軍人として知られたパウエルは軍を退役後、国務長官として外交の分野でアメリカに奉仕することになった。
2001年9月11日。55歳になっていたドナルド・トランプはトランプタワーの窓から惨劇を目の当たりにし、「今日を境にアメリカはこれまでと違う国になるだろう」と呟く。一方、国際会議に出席するため、ペルーのリマに滞在していたパウエルは哀悼の意を表する各国の代表を前に「犯人を法の下で裁き、悲劇の始末をつける」と決意を語った。
テロ攻撃から3日後、連邦議会では攻撃の首謀者であるオサマ・ビンラディンと彼を匿うアフガニスタンのタリバン政権への武力行使を承認する決議が採択された。自らも議事堂でテロ攻撃に遭遇したバーバラ・リーはこの決議に上院・下院合わせて唯一の反対票を投じ、「アメリカへのさらなる国際テロを軍事行動で防ぐことができるとは思えません。反対投票がどんなに難しくても誰かが自制を唱えなければなりません」と訴えた。しかし、国民の多くが武力行使に賛成する中で彼女の発言は大きな批判に晒される。リーの信念とは裏腹に、報復を支持する国民の声を背景にアメリカ軍は2001年10月7日に有志連合と共にアフガニスタンへの攻撃を開始。長期にわたるテロとの戦いが幕を開けた。
2002年、ブッシュ政権はイラクへの軍事作戦を検討し始める。パウエルは攻撃に対する慎重論を唱えたが、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官は「フセイン政権は大量破壊兵器を保有しており、新たな脅威になりうる」としてし先制攻撃を主張。しかし、アメリカ国民はこれ以上の戦争を望んでいなかった。新たな戦争へと足を踏み入れようとしているブッシュ政権には国民からも疑問の声が寄せられ、かつて大きな批判に晒されたリーは非戦派の象徴として称賛を受ける立場に回る。逆風の中、ブッシュ政権は国内外からの信頼が厚いパウエルを国連安保理に送り込み、CIAによる情報を元にイラクが大量破壊兵器を保有しているという主張を展開。この演説によって国内外のイラク攻撃に対する支持は一気に高まり、アメリカ軍は2003年3月20日にイラクへの攻撃を開始する。開戦から3週間でフセイン政権は崩壊したが、戦争が終わっても大量破壊兵器を見つけることはできなかった。2004年9月にブッシュ政権は情報の誤りを認め、国連演説で戦争を主張したパウエルは2005年1月に辞任。政治の表舞台から身を引くこととなった。
同時多発テロから10年を経た2011年、トランプは大統領への野心を初めて口にする。自分なら泥沼化したテロとの戦いと経済の低迷からアメリカを救うことができると主張し、翌2012年にはかつてレーガンが唱えた言葉「Make America Great Again!」を商標登録。2015年6月にはこのスローガンを手に共和党の大統領選指名候補に名乗りを上げた。「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプは人々の心中に燻る移民に対する反感を刺激して白人保守層からの支持を固めていくが、政界から身を引いていたパウエルはこの姿勢にNOを突きつけた。ジャマイカ生まれの移民を両親に持つパウエルにとって、移民に不寛容なトランプの姿勢は到底容認できるものではなかったのである。パウエルは共和党員でありながらトランプの対立候補であった民主党へのヒラリー・クリントンへの投票を表明し、大手メディアもヒラリー支持の姿勢を打ち出す。しかし、こうした事前予想に反し、勝利したのはヒラリーではなくトランプだった。ここにきて大手メディアは、アメリカ社会の分断が遥かに深刻な域に達していたことを悟ったのである。
大統領となったトランプは就任直後から移民を排除する政策を推し進めていく。メキシコとの国境には壁を建設し、イスラム教徒が数多く暮らす中東やアフリカからの入国も停止させた。ニューヨークではこうした排他的な姿勢に反対する人々が自由の女神をシンボルにデモを展開。こうした主張を取り合わないトランプ政権下でアメリカの分断はさらに加速していく。
同時多発テロから20年を経た2021年1月6日。トランプ政権が煽り立ててきた分断により、アメリカの民主主義は最悪の日を迎えた。大統領選で敗北したトランプの支持者たちが選挙の無効化を訴えて連邦議会議事堂に乱入し、議事堂を破壊したのだ。同時多発テロを耐え抜いたアメリカの民主主義は、他ならぬアメリカ人自身の手によって壊されたのである。この事件に対し、パウエルはこう語っている。「私はこの国を信じています。これまで数々の危機を乗り越えてきたように、今回もできると信じています。しかし、課題は全ての国民を見捨てないことです。トランプ氏に一票を投じた人々とどう対話すればいいのか、トランプ氏がいなくなった後、彼らと再び手を携えるために助け合わなければならないのです。お互いに議論しましょう、お互いへの愛を忘れずに。それが私達アメリカ人です」。この言葉を残し、パウエルは84歳で世を去った。移民の仮定に育った彼は、死の寸前まで貧困層への教育支援を続けていたという。
2021年8月、アメリカ軍はアフガニスタンから完全撤退する。9.11から始まったテロとの戦いは中東諸国の混乱と多大な犠牲者を残して終結したが、2つのビルの崩壊から始まった憎しみの連鎖は現在も世界を覆っている。分断と対立が加速したアメリカにおいてもそれは例外ではないが、その一方でアメリカの根底にある多様性を維持し続けようとする人々もいる。ニューヨークではプエルトリコ移民の血を引くアレクサンドリア・オカシオ・コルテス女性史上最年少で連邦議員に選出された。彼女は43歳年上のバーバラ・リーから勇気を貰ったと明かし、こう語っている。「バーバラ・リーは国中から非難される辛さを知っています。私は、自分が苦境に立たされるといつもそれを思い返します。自分の信念に従って一票を投じることがいかに大切か、彼女が道を切り開いてくれたのです」。9.11をきっかけに混迷を深めたアメリカ。加速する分断とそれに抗う人々の間で、自由の女神は今も変わらずに移民たちを出迎えている。「疲れし者、貧しき者を我に与えよ。我は黄金の扉にて明かりを掲げん」……。

他にもこんな番組で紹介されています…

2024年6月28日放送 19:00 - 19:30 NHK総合
NHKニュース7(ニュース)
米国大統領選挙のテレビ討論会。90分の論戦は、政策論争ばかりではなかった。また、バイデン大統領のふるまいも注目された。大統領は風邪をひいていたというのが陣営関係者の話だが、序盤から声がかすれ、言葉に詰まる場面も。バイデン氏は81歳で、トランプ氏は78歳。健康状態も有権者の判断材料の1つ。するとバイデン氏は、ゴルフでの競争を持ちかけた。政治専門紙「ヒル」は、専[…続きを読む]

2024年6月28日放送 16:48 - 18:50 テレビ朝日
スーパーJチャンネルnews BOX
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2024年6月28日放送 15:50 - 19:00 日本テレビ
news every.(ニュース)
バイデン大統領とトランプ前大統領が、討論会で4年ぶりに直接対決。互いに「史上最悪の大統領」と批判しあったが、大統領選の争点である経済や不法移民の問題などをめぐり議論が交わされた。バイデン氏は「大統領に就任した時、経済はひどい状況だった。私は雇用を創出した」と、トランプ氏は「雇用拡大は不法移民のための仕事。世界中のテロリストがアメリカに押し寄せている。この男は[…続きを読む]

2024年6月28日放送 15:49 - 18:30 TBS
Nスタ(ニュース)
11月の米国大統領選挙に向けて、4年ぶりの直接対決となった27日のテレビ討論会。経済を巡って、バイデン氏が「多くの雇用を創出した」と誇る一方、トランプ氏は「インフレが私たちの国を殺そうとしている」と批判。不法移民対策などでも議論を戦わせたが、互いに「史上最悪の大統領」と罵り合う展開。またバイデン氏の声にも注目が、バイデン氏は風邪をひいていたと報道されているが[…続きを読む]

2024年6月28日放送 15:45 - 19:00 フジテレビ
イット!取材center24
11月の米国大統領選挙に向けた討論会でバイデン大統領が失速。バイデン氏とトランプ前大統領のテレビ討論会は南部ジョージア州で27日、1時間半にわたり行われた。冒頭からバイデン氏がかすれ声で何度もせき込み話題を集め、一方のトランプ氏は自身が認知症の検査を受けたとしてバイデン氏との違いを際立たせた。結果的に高齢への不安を更に高めたバイデン陣営からは「大失敗だ」との[…続きを読む]

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