アゼルバイジャンで開幕した気候変動対策を話し合う国連の会議COP29は12日から首脳級会合が始まる。これまで大口の資金拠出を行ってきた米国で温暖化対策に後ろ向きなトランプ氏が大統領選挙に勝利し、各国から資金援助に関する懸念の声が上がる中、どこまで実のある議論が行われるのか注目される。11日にアゼルバイジャンの首都バクーで開幕したCOP29は12日からおよそ80の国と地域の首脳らが参加し首脳級会合が始まる。12日は英国のスターマー首相やトルコのエルドアン大統領などが演説し、途上国の温暖化対策を支援するための資金や温室効果ガスの削減目標の引き上げについて議論が交わされる見通し。一方で米国の大統領選挙で温暖化対策に後ろ向きなトランプ氏が勝利したことを受けて、11日、バイデン政権で気候変動問題を担当するポデスタ特使が会見を開き、危機感を示した。今回の首脳級会合にはフランスやドイツのほか、温室効果ガスの排出大国・中国やインドも首脳の出席を見送る見通し。地球温暖化の影響と見られる自然災害が相次ぎ、対策に国際協調が求められる中、首脳級会合でどこまで実のある議論ができるのか注目される。