日銀の氷見野副総裁は講演で企業の賃上げの動きについて「強い結果が期待できる」という見方を示したうえで「来週の金融政策決定会合では利上げを行うかどうか議論し判断したいと思う」と述べ、追加の利上げに向けた環境が次第に整いつつあるという認識を示した。講演で氷見野副総裁は「企業の賃上げの動きについて年初の各界の方々の発言も前向きな話が多かったように思う。先週開いた支店長会議でも全体的に強めの報告が多かった」などと述べ、「新年度に向けて強い結果が期待できる」という見方を示した。また、米国のトランプ次期大統領の政策の影響については「さまざまな影響が論じられているが少なくとも米国経済は当面強いパフォーマンスが続くとの見方が多い」と指摘した。そのうえで今後の金融政策について「来週の金融政策決定会合では利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し判断したいと思う」と述べた。これまで日銀は追加の利上げの判断にあたって企業の賃上げの動きやトランプ次期大統領の政策の影響を見極めるという姿勢を示してきたが、氷見野副総裁は追加の利上げに向けた環境が次第に整いつつあるという認識を示した形。