インドにおけるトランプ関税50%の影響を取材した松本弦記者がニューデリーから中継で伝えた。多くの人々にとって50%への引き上げは予想外の事態で、長引けばインドの伝統産業に深刻なダメージを残すおそれがある。ダイヤモンドの加工地スーラトは大勢のバイヤーで賑わっていたが、閑散としてしまったという。ロシアのウクライナ侵攻の影響でダイヤモンドの原石が手に入りにくくなり、業績が落ち込んでいたところに関税がとどめを刺したという見方もある。インド政府は支援する考えだが具体策がなく、現在は企業努力に任されている。取材したカーペット会社は輸出先のアメリカ企業と関税を折半する交渉を続けているが見通しは立っていない。インドのモディ首相は交渉で譲歩しない姿勢を見せていて、ロシアから原油の輸入も続けている。インドは輸出先の多角化を加速させ、8月にはモディ首相が中国を7年ぶりに訪問して貿易を拡大する方針を示したが、アメリカを無視することはできず、専門家はロシアからの原油輸入量を減らすことやアメリカから多くのエネルギーを購入する可能性があると述べるなど一定の譲歩を迫られるという見方もある。