ニューヨーク証券取引所から東海東京証券アメリカ・中川幾代が解説。経済指標はまちまちの内容。経済軟着陸への期待感が若干後退。前日のダウとS&P500の最高値更新もあり売り優勢となった。イランによるイスラエルへのミサイル攻撃で中東情勢悪化への警戒感が急速に高まっている。リスク回避の動きが進み、米国国債と金が買われた。原油価格も上昇し、オキシデンタルペトロリアム、コノコフィリップスなどエネルギー銘柄が上昇。ロッキードマーティン、ノースロップグラマンの防衛銘柄も買われた。また港湾労働者による大規模なストライキの影響についても解説。米国東海岸の港での大型ストは1977年以来で、ニューヨーク、マイアミ、ヒューストンなどの主要港での物流が滞り、サプライチェーン全体への影響が懸念される。世界の海運の15%が停滞するとの指摘もあり、ストが長期化した場合、ホリデー商戦を控える小売企業にとっては痛手となりそう。米国経済にとっては1日につき最大50億ドルの損失になるとの試算もされている(JPモルガン試算)。ボーイング従業員のストも続いている。ハリケーン・へリーンの被害もあり、今月の労働市場が軟化する可能性がある。10月の雇用統計は11月FOMC(連邦公開市場委員会)前に発表されるため、FRB(連邦準備制度理事会)の利下げ動向の観点からも事態の進展に市場の注目が集まる。
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