社会部・富田良記者がスタジオで解説:日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞受賞が核廃絶に与える影響は?「現状では核廃絶に向けた見通しは厳しい。核保有国をはじめ、190の国と地域が参加するNPT核拡散防止条約の再検討会議がおととし米国・ニューヨークで開かれたが、世界の核軍縮に向けて道筋を示せるかどうか注目されたものの、ロシアによる反対で最終文書が採択でかきなかった。2021年に発効した核兵器禁止条約は核兵器の禁止や保有、使用などを禁止する国際条約で、これまでに70以上の国と地域が批准しているが、米国やロシア、中国などの核保有国は参加しておらず、また米国の核の傘の下にある日本なども参加していないので、核保有国と非保有国の溝、これは埋まっていない。また、米国とロシアの間でも去年2月に、ロシアが米国との核軍縮条約・新STARTの履行停止を一方的に表明して、これに対して米国は戦略核兵器についての情報提供を停止すると明らかにしている。各地での緊張を受け、各国が長年知恵を寄せ合ってきた核軍縮の取り組みが、行き詰まりを見せているというのが現状」。