ニホンオオカミの遺伝子を調べた寺井博士らは約100種類のイヌの遺伝子も分析して比較した。多くのイヌにニホンオオカミと共通の遺伝子が残されていることがわかった。これまで、イヌの祖先は大陸のハイイロオオカミと考えられてきたが遠い関係にあった。すべてのイヌはニホンオオカミと共通の祖先から生まれた可能性が高いという。イヌの起源に関する研究はヨーロッパやアメリカでは注目度の高い研究領域で、今回の研究結果はかなり大きい発見だという。さらに、3万5千年前に本州に暮らしていたオオカミの化石から、巨大オオカミと別の小型オオカミが交雑しニホンオオカミが誕生したことがわかってきた。