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オープニング映像。日本動物学史上最大のミステリー、ニホンオオカミの謎を明らかにする。
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ニホンオオカミが絶滅したとされるのは明治38年。生息地である森林の開発や獲物の減少、犬の伝染病のまん延や駆除などが原因と考えられている。生態の研究が行われることなく絶滅してしまった上、生きていた頃の映像も写真も無いため姿は謎だ。オランダに残されているニホンオオカミのタイプ標本が100年以上もの間、本当のニホンオオカミの姿とされてきた。しかし、標本の骨から取り出したDNAを詳細に分析すると、在来犬のDNAが混ざっていることがわかった。長年ニホンオオカミの基準とされてきた標本はニホンオオカミとイヌとの間に生まれた交雑個体だった。
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今回番組では専門家とともにニホンオオカミの姿をCGで再現することにした。ニホンオオカミの剥製は日本にも3体残っているが姿がバラバラだ。今回は全身骨格から姿を再現することにした。国立科学博物館に保管されているニホンオオカミの全身骨格を3Dスキャナーで撮影し3Dデータを作った。また、秩父市の三峯神社はニホンオオカミを神として祀っていて、保存状態の良い毛皮が保管されている。
ニホンオオカミは古くから「大口の眞神」と呼ばれ日本各地で敬われてきた。オオカミは農家にとって厄介なシカやイノシシを追い払ってくれるありがたい存在だった。秩父市にある猪狩神社では毎年11月に裏山の頂上に祀られているオオカミ様にお参りする神事が行われている。
ニホンオオカミの姿に迫るため専門家に聞き込みを行った。海外のオオカミの生態に詳しい角田博士によると、ニホンオオカミは西洋のオオカミに比べて小さく脚が短いという特徴がある。日本は地形が急しゅんで、その環境条件に適応した結果として脚が短くなったと考えられる。長年ニホンオオカミを研究する今泉さんによると、冬の寒さが厳しい日本では体温を維持する必要がるためニホンオオカミの耳は小さかった可能背が高いという。目の色は紫外線の強さと関係あると考えられ、欧米より緯度が低く紫外線が強い日本の野生動物の目の色は茶色や黒など濃いものが多い。日本を代表する野生動物画家の岡田さんがニホンオオカミの姿を描いた。イラストをもとに高精細CGの映像を作った。
ニホンオオカミの遺伝子を調べた寺井博士らは約100種類のイヌの遺伝子も分析して比較した。多くのイヌにニホンオオカミと共通の遺伝子が残されていることがわかった。これまで、イヌの祖先は大陸のハイイロオオカミと考えられてきたが遠い関係にあった。すべてのイヌはニホンオオカミと共通の祖先から生まれた可能性が高いという。イヌの起源に関する研究はヨーロッパやアメリカでは注目度の高い研究領域で、今回の研究結果はかなり大きい発見だという。さらに、3万5千年前に本州に暮らしていたオオカミの化石から、巨大オオカミと別の小型オオカミが交雑しニホンオオカミが誕生したことがわかってきた。
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