トルコのフィダン外相は22日、シリアの首都ダマスカスを訪問し、暫定政権を主導するジャウラニ指導者と会談した。シリアと国境を接し、内戦中はアサド政権と対立する反政府勢力側を支援してきたトルコとしては暫定政権との関係をいち早く構築し、影響力を強めるねらいがあると見られる。トルコのフィダン外相は22日、シリアの首都ダマスカスを訪れ、暫定政権を主導するシリア解放機構のジャウラニ指導者と会談した。会談のあとの記者会見でフィダン外相はシリアの復興や難民の帰還などを支援していくと表明し、各国に対しアサド政権に科していた経済制裁を早期に解除するよう呼びかけた。また、シリア国内の少数派を保護し、すべての宗教が共存する国造りを求めた。その一方、長年、敵対してきた北東部を拠点とするクルド人勢力については「シリアにクルド人武装組織の居場所はない」と述べ、暫定政権に対してクルド人勢力には厳しい姿勢で臨むようくぎを刺した。トルコ政府は今月12日にも情報機関のトップをダマスカスに派遣していて、シリアの暫定政権との関係をいち早く構築し、影響力を強めるねらいがあると見られる。