非常戒厳を巡り混乱が続く韓国。間もなく尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案の採決が行われる。韓国・ソウル・国会の本会議場前から中継。疑惑について特別検察官を任命して捜査に当たらせる特別法案の採決が行われている。今日午前10時すぎ、非常戒厳を解除したあと初めて公の場に姿を見せたユン大統領。注目された国民向けの談話で「国政の最高責任者である大統領としての切迫さから始まった。国民に不安と不便を与えた」と述べ、非常戒厳を宣言したことを巡り謝罪。懸念される2度目の非常戒厳の宣言について、「決してない」と強調。そのうえで今後については、自身の辞任については直接言及しなかったものの、与党国民の力に大統領としての任期を含め「一任する」と述べた。この談話を受けて最大野党「共に民主党」・イジェミョン代表は「非常にがっかりしている」と述べた。一方、大統領の弾劾訴追案への対応が注目される与党議員らは、議員総会を開いた。ある参加者はJNNの取材に対し与党「国民の力」・ハンドンフン代表は弾劾に反対する意向を表明したと話した。この参加者は党内で大統領の任期短縮について議論することになる見通しだと明らかにしている。韓国・国会前では、大統領の弾劾を求める人たちが続々と集まってきている。一方で、弾劾に反対する市民も集会を開いている。韓国・ソウル中心部でも全国各地から集まった尹大統領の支持者が集まり、弾劾に反対する声を上げていた。主催者によると全国から尹大統領の支持者数万人がデモに参加しているという。弾劾訴追案の採決でカギを握っている与党の動き。与党「国民の力」・ハンドンフン代表は、きのう「尹大統領の速やかな職務執行の停止が必要だ」と述べたことで可決される可能性が急浮上した。しかし韓国メディアによると与党は採決で反対する方針を今日確定させた。新しい情報では、ほとんどの与党議員が本会議場から退室した。これによって弾劾訴追案が自動的に否決になる公算が大きくなっている。否決された場合、尹大統領はこれまでどおり業務に当たることになる。ただ最大野党「共に民主党」は可決されるまで弾劾訴追案の発議を繰り返し行うという考えを示している。世論の反応によっては与党議員がまとまり続けることが難しくなる可能性もあり、政局の混乱がなかなか収まらないことも予想される。