円相場は先週26日のニューヨーク市場で1ドル158円台半ばまで値下がりしたが、きょうのアジアの外国為替市場ではこの流れを受けて円売りの動きが強まった。円相場は日本時間の午前10時半過ぎ、1990年4月以来34年ぶりに一時1ドル160円台まで値下がりした。その後は円を買い戻す動きも出て、現在は1ドル159円台前半で取り引きが行われている。急速に円安が進む中、市場では日本政府日銀が円安に歯止めをかけるために市場介入に踏み切るかどうかに関心が集まっている。市場関係者は“週明けのアジア市場は日本が祝日で市場参加者が少ないこともあり、急激に円安が進んだ。160円台をつけたことで日本政府日銀による市場介入への警戒感はこれまで以上に強まっている。市場では日銀の植田総裁が先週、金融政策を決める会合のあとの会見で円安を強くけん制しなかったと受け止められている”と話している。米国ではFRB=連邦準備制度理事会の利下げが遅れるとの見方も広がっていて、日米の金利差が意識され、円安の動きに歯止めがかからない状態となっている。