パリオリンピック・パラリンピックで活躍が期待される選手の紹介。今回は卓球・戸上隼輔選手。戸上選手の代名詞は強烈なフォアとバックハンド。このショットを武器に約2年に渡る代表選考レースを勝ち抜いた。初の五輪に向けて専属トレーナーをつけてウェイトトレーニングを行う他、食事も栄養士に管理してもらうなど、コンディションづくりに励んでいる。戸上選手が飛躍した理由の一つが去年秋に行ったラバーの変更。これまでの高速型からコントロールがしやすいものに変えた。五輪まで1年を切る中での異例の決断だったが、バックハンドのブロックやラリーが強化されたという。今年1月の全日本選手権、ライバルの張本智和選手との決勝で「相手の長所に対しても勝てるようになってきた」などと自らの進化を感じたようだ。さらに力を入れているのが、相手のサーブに対し独特の回転をかける”チキータ”。戸上選手のこれまでのチキータはスピードがある縦回転のボールだったが、これに加えバウンドしてから鋭く横に曲がる横回転のチキータも身につけようとしている。先月行われたTリーグのプレーオフ決勝では、練習してきたチキータが優勝を呼び寄せるショットとなった。戸上選手は「五輪の舞台に立って、卓球は面白いんだというプレーを見てもらいたい。表彰台に登る姿も見せられたら」などと話した。戸上選手は世界ランキング26位で、1桁の順位を目指し今月14日からは中国でのW杯に出場する予定だ。