オーストラリアは2020年にモリソン前首相が新型コロナの発生源について独立した調査を求め関係が悪化し、中国がオーストラリア産ワインに218%の高関税をかけるなどして圧力を強めていた。2022年にアルバニージー氏が率いる労働党が勝利し政権交代となり、急速に両国の関係は回復した。中国は段階的に輸入制限を解除し3月にはオーストラリア産ワインの高関税を撤廃した。中国側の思惑としてクアッド、AUKUSに関係改善で揺さぶりをかける狙いがあると見られている。オーストラリアでの中国についての世論調査では2018年では「経済的なパートナー」と見る人は「82%」だったが、今年3月では「44%」となった。また「安全上の脅威」と見る人は今年3月で「53%」となっている。オーストラリア・アルバニージー首相は共同記者発表で、台湾海峡や南シナ海での中国の覇権主義的動きを念頭に「いかなる国も支配したり支配されたりしてはならない」とけん制したという。