ことし5月、トランプ大統領が南アフリカで少数派の白人が迫害を受け、殺害されていると主張して見せた画像について、ロイター通信は記者がコンゴ民主共和国で撮影された映像から切り出されたものと確認されたと指摘した。トランプ大統領は大量の情報発信を続けているが、“事実に基づかない”など指摘が相次いでいる。ファクトチェック団体「ポリティファクト」は2007年に創設され、政治家の発信を検証している。ことし2月にトランプ大統領が「ウクライナは戦争を始めるべきではなかった」と発言したことについて、軍事侵攻を始めたのはロシアであるとして、“明らかにでたらめ”と指摘した。ポリティファクトがトランプ大統領の29の発信の真偽を検証したところ、事実でないものがほとんどだった。団体はSNSでファクトチェック結果を公表してきたが、IT大手メタがSNSの「ファクトチェック」を廃止したことにより、資金面で打撃を受け、スタッフを解雇。限られた人員で大量の情報に向き合うことになった。“トランプ大統領に厳しすぎる”と団体に批判的な意見も増えている。ファクトチェックなどに詳しいニューヨーク大学のジーブ・サンダーソン氏は「相手側の主張が事実に基づいていないととらえる人たちも出てきている。届けたい人たちにファクトチェックを届けられてなくなってきている」と指摘した。