日本の漫画家・高浜寛さんは日本の歴史を題材とした作品がフランスやイタリアなどで人気。天草のキリシタンの歴史をテーマにした作品の構想をイタリアでの講演で話したことをきっかけに教会の関係者と交流することとなり、先月、巡礼団を熊本・天草に迎え入れることになった。イタリアのルッカ教区を統括するパオロ・ジュリエッティ大司教や信者25人がやってきた。天草は潜伏キリシタンの歴史により世界遺産に登録されているが、注目されていることが少ない。高浜さんは「16世紀や17世紀のそのままのものが残っている」などと述べた。初日にはかつて多くの潜伏キリシタンが暮らしていた崎津集落へ。1600年前後には住民の8割がキリスト教の信者だったとも言われている。巡礼団は天草ロザリオ館を訪れた。約200年前に建てられた民家ではキリスト教が弾圧され教会がなくなったとにどのように信仰していたかが分かる。この民家でジュリエッティ大司教はミサを執り行った。国照寺ではキリスト教の影響をいまに伝える「せんだご汁」がある。高浜さんは巡礼団を受け入れたことで天草の歴史を伝えていくことの自信を深めたという。今月末からイタリア・ルッカでヨーロッパ最大の漫画のイベントが開催される。
