アメリカ大統領選挙で、トランプ前大統領が中国製品に60%を超える関税を課すと予告していることについて、ユーラシア・グループのデービッド・ボーリング氏は「アメリカは中国に対しすでに高い関税を課しているが、税率をさらに引き上げた場合、国際貿易を大いに混乱させる。中国からアメリカに製品を輸出する会社は、アメリカと自由貿易協定を結ぶメキシコや東南アジア諸国に工場を移し、国際貿易の構造が劇的に変化する。中国もアメリカ製品に報復関税を課すだろう。国際貿易に悪影響しかない」と話している。また、ブルームバーグ・エコノミクスの試算では、60%の関税発動で米中2国間の貿易は2030年までにほぼゼロになることについては「60%超の関税はトランプ氏の交渉戦術の一部だと忘れてはならない。トランプ氏はアメリカ市場へのアクセスを人質に、中国と交渉がしたいのだ。関税が60%になるかそれ以下になるかは交渉の展開次第だ。トランプ氏は関税と引き換えに中国から引き出したいものがある」としている。