先月27日、米・トランプ大統領は「中国への追加関税を10%上乗せした」と述べた。5日、中国外務省は「関税戦争でも貿易戦争でも、最後まで付き合う」と反発した。第2次トランプ政権の発足直後から米国と中国は輸入品に追加関税を掛け合う報復合戦を繰り広げている。2カ国の会合がおととい、北京で行われた。激しさを増す貿易摩擦に関して、中国共産党のナンバー2・李強首相は「貿易戦争に勝者はいない。関税に頼って繁栄を実現した国家はない」として、トランプ政権の関税政策を批判。共和党・デーンズ上院議員は会談後、ブルームバーグの取材に対して「フェンタニル前駆体の問題が解決されるまで、関税や非関税障壁について協議するのは難しいだろう」と述べた。米国で深刻な問題になっている合成麻薬「フェンタニル」。中国からカナダやメキシコ経由で、フェンタニルが輸出されているとして、「貿易に関する協議を進めたいのであれば、中国は行動をとる必要がある」とデーンズ議員は発言した。トランプ大統領は、中国・習近平国家主席との会談に前向きな姿勢を示している。米・ヘグセス国防長官は今週、就任後初めてインド太平洋地域を訪問する。対中抑止の重要拠点であるハワイ・グアム、米軍が連携を強化しているフィリピン・日本を訪問し、同盟関係やパートナーシップを強化するための取り組みを推進するとしている。