1960年代国が南北に分かれて対立するなかアメリカとソ連が介入し、泥沼化したベトナム戦争。沖縄戦のあと27年間アメリカの統治下に置かれた沖縄はこの戦争の出撃基地として使われた。沖縄から送り出された兵士と基地から飛び立った爆撃機が無差別の攻撃を繰り返し、民間人を含む300万人以上が犠牲になった。海の向こうの戦争を戦場のベトナムと出撃基地だった沖縄の両方で取材したジャーナリストの当時26歳だった沖縄出身の石川文洋さん。その写真には凄惨な地上戦などが記録されている。ベトナム戦争が終わってからもうすぐ50年。石川さんは人生の最終章と定めるテーマと向き合っていた。