株式市場ではトランプ次期政権で予想される関税政策などが意識され、関連銘柄の値動きが大きくなっている。こうした中、専門家は「トランプ氏が勝利したことでボーイングの先行きを巡って大きな懸念がある。エアバスとボーイングにとって非常に重要な市場の中国と貿易戦争が起こる可能性だ。しかしエアバスの本拠地である欧州は、貿易戦争には関係なく利益を得ることになる。ボーイング機の部品は日本・イギリス・フランス・カナダなど様々な国から輸入されている。関税の引き上げによってコストが増えれば、ボーイングにとって悲惨な事態となる」と話す。ボーイングは長引く品質問題やストライキによる生産停止で9四半期連続の赤字と大きな低迷が続き、さらなる経営悪化や一部では破綻の懸念も広がっている。専門家は今後について「破産するとは考えていない。新株や社債を通じた資金調達力が高いから。先月も新株発行などで百億ドル規模を調達した。特に生産ラインは数年で収益性を高めるだろう。ただ、ボーイングは分割を決断する可能性がある。トランプ政権下で起こる最大の再編となるだろう。ボーイングにとって事業売却の環境が好ましくなる。これは今後、最も注目するべき点だ」と語る。