取材した銀行の窓口でも口座を開設した人への意思確認をしっかりと行っているにもかかわらず、ネット上では、ひも付けを強制されるという不正確な情報が広がり続けているのは、なぜなのか。背景には口座管理法とは全く別のもう一つの法律、来月施行される改正マイナンバー法の存在がある。ネット上の不正確なの情報の数々は、この2つの法律を混同したものと見られている。「改正マイナンバー法」は、マイナンバーと、国から年金や緊急時の給付金などが振り込まれる公金受取口座の情報等をひも付けしますか、という通知が年金を受給している方々に届く。そして、期限までに回答がない場合、同意したものとみなして自動的にひも付けが行われる。口座管理法では、複数の金融機関のすべての口座にマイナンバーをひも付けることができる。しかも、これはいずれも任意。一方、改正マイナンバー法では、年金受給者は公金を受け取るための口座1つが自動的にひも付けされる場合がある。この2つは全く別の法律で対象もそれぞれ異なる。ただ、口座管理法の複数の金融機関のすべての口座という点と、改正マイナンバー法の無回答だと同意したとみなすという点これらが混同されてしまったと見られる。これが不正確な情報が拡散されている背景といえそう。