グローバルサウスの主要国と言われる南アフリカでは29日総選挙を迎える。今国民から聞こえるのは政府与党への不満。ラマポーサ大統領はかつてない窮地に立たされている。南アフリカで30年に渡り政権を握るのが「ANC」でかつてネルソン・マンデラ氏がアパルトヘイト撤廃を主導した政党。ANCの得票率は全人種が参加する選挙が始まった1944年に政権についてから2004年に70%近くに与党ANCを支持してきたのは国民の8割を占める黒人層だがその黒人層も与党に不満を訴えている。その1つが“水道整備の遅れ”。アパルトヘイト撤廃の1998年に政府が整備した住宅団地へ移動、何度も政府は水道が通ると約束してきたが整備事業は進まず去年1つだけできたが数回だけしか出なかった。水道事業を調査しているイスラエル・ヌクナさんはANC幹部の汚職が事業を遅れを招いていると指摘。水道だけでなく全国的に停電も頻発、長期政権下で電力事業でも不正が蔓延しているという。治安も悪化、少数の白人の富裕層と黒人の格差はここ30年で殆ど縮まることはなかった。北ケープ州の集落オラニアではアフリカーナーと言われる白人の人だけが住み現在3000人ほどで5年で倍増、現在は大学を作る計画も立てられている。誘拐などの犯罪が多発する南アフリカでは珍しく子どもだけで自由に行動が可能という。現代にアパルトヘイトを蘇らせているとの批判もあるが集落の代表は「国が国民をかえりみないのであればインフラなどを自分達で賄うコミュニティにこそ解決策がある」などと話した。ウムゲニ市のクリスパッパス市長は地元農家出身で小さい頃から黒人の友達と過ごし自然と覚えたズールー語を流暢に話すことができる。市民総出の街づくりを進めていていてごみだらけで治安が悪かった町を住民らに呼びかけ清掃活動を実施、人種関係なく取り組んだ。今回野党州知事候補として選挙活動に参加していて人種間の格差が根強く残る南アフリカを変えていきたいと考えている。