関税を武器に世界を振り回し続けるアメリカのトランプ政権。一方、中国が武器にするのはレアアース。鉱物から取り出される希少な金属の一種で電気自動車やスマホ、軍事技術など幅広い産業で不可欠で21世紀の石油とも言われている。中国は豊富な埋蔵量を持ち、レアアースが含まれる鉱物の採掘で6割、精製では9割のシェアでサプライチェーン全体を支配している。トランプ関税を巡る交渉では中国がレアアースの輸出規制に踏み切ったことでアメリカの自動車業界など悲鳴があがり、その後中国が規制を緩和する姿勢を示し当面の関税合意に至った。危機感を強めるアメリカは巻き返しに必死。アメリカ西部ワイオミング州で約70年ぶりとなるレアアース鉱山のプロジェクトが動き出した。この鉱山には少なくとも約170万トンのレアアースが眠っているとみられ、企業では採掘から精製、加工まで手掛ける計画。さらに西部ユタ州ではウランの精製を手掛ける企業がその技術を活かしてレアアースを取り出す事業に乗り出している。鉱物資源会社・マーク・チャルマースCEOは「(今後精製される量は)年間500万台から600万台のEV・ハイブリッド車に(使われる量に)相当する」とコメント。中国依存を脱却するため、オーストラリアやマダガスカルなどレアアースを含む鉱石を調達。生産能力を5倍に拡大する計画。専門家は10年単位の期間が必要で、各国との連携がカギになると指摘。
