今週金曜はバレンタインデー。群馬では意外な経歴の持ち主がチョコレートブランドを立ち上げて話題を呼んでいる。ナッツやドライフルーツをあしらったシンプルでスタイリッシュなチョコレート。クリームチーズを練り込んだ濃厚な生地をさくさくのビスケットが引き立てる逸品。このレシピを考えた清水慶記さんは去年、チョコレートブランドを立ち上げた。実は清水さん、前職はJリーガーで大学卒業後、16年間で3チームに所属し地元のザスパ群馬では正ゴールキーパーとして活躍。スーパーセーブで観客を沸かせた。しかし、引退後の生活につてはプロになった当初から不安を抱えていた。Jリーグには億単位のお金を稼ぐ選手がいる一方、年収が一般のサラリーマンと変わらない選手も少なくない。年金や退職金制度も確立されていないのが現状。引退後、自分は何をしたいのか、頭に浮かんだのはサッカーの次に好きなチョコレートだった。20代でチョコレート作りにはまった清水さんはこれを仕事にできないかと考えた。新選手の加入で出場機会を失ったおととしのシーズン、観戦に来たスポンサー企業の社員たちにチョコを配り起業への思いを語った。関心を示したのがチームのメインスポンサーを務める大手企業の井村安世さん。井村さんが提案したのは子会社が運営するカフェで商品開発に参加してもらうこと。食品を扱う事業に必要なスキルを一から学んでほしいと考えた。清水さんはチームの協力も得て現役のまま仕事を進め半年かけてみずからプロデュースしたマフィンの商品化にこぎ着けた。そのシーズンの終わり、清水さんは引退を決断しチョコレートブランドの立ち上げを実現した。選手のセカンドキャリアをサポーターにも応援してほしい。清水さんは今、イベントやスタジアムでの販売に力を入れている。清水さんはこの事業を成功させることで後に続くアスリートに道を開きたいと考えている。プロサッカー選手の引退年齢は平均で26歳から27歳と言われていてチームやスポンサー企業も選手たちのキャリア支援に力を入れ始めている。