飛ぶ姿を見ると幸せになるという青い蝶の伝説は世界各地にある。1987年11月、カナダ・モントリオールで開かれた昆虫標本の展示会でダビッドは運命の出会いを果たした。一目で虜になったのは中南米のジャングルにしか生息しないブルー・モルフォ。展示会には昆虫学者のジョルジュ・ブロッサール博士も来ていた。カナダの子ども向け昆虫番組のMCを務めている有名人で近々カナダ初の昆虫博物館をオープンする予定だった。ダビッドは博士にブルー・モルフォを捕りに行きたいと伝えたが、博士は夏の限られた時期にしか姿を見せないことを伝えた。ダビッドは小児ガンで余命3ヵ月を宣告されていた。母はダビッドに事実を隠してはいたものの自分が長くはないと悟っていた。博士には難しいと言われたものの母は息子の最後の願いを何とか叶えたいと、難病に苦しむ子どもたちの願いを叶える活動をしているメイク・ア・ウィッシュ財団に依頼。その結果、博士に青い蝶を見つける手伝いをしてもらえないかとの依頼が来た。季節が逆の南米の奥地に行けば見つかる可能性はあったが片道10数時間の過酷な旅でダビッドの体力を考えると不可能だった。